令和5年度中小企業デジタルツール導入促進支援事業とは
都内の中小企業等に対し 、デジタルツールの新たな導入に係る経費の一部を助成することにより、事業活動のデジタル化の促進を図り、継続的 な成長・発展を支援することを目的としています。
財務会計や人事労務、給与計算などのソフトウェア導入に活用することができ、デジタル化に有効な制度です。これまでコスト面等で導入をためらっていた事業者も、ぜひ注目したい制度です。
デジタルツールはなぜ今、中小企業に必要なのか
デジタルツールの導入は、中小企業にとって非常に重要です。これは、市場競争が激化している現代において、効率化、コスト削減、顧客満足度の向上を実現するための鍵となるからです。デジタルツールを活用することで、ビジネスプロセスを自動化し、データ駆動型の意思決定を支援することが可能になります。また、オンラインでの顧客との接点を増やし、新しい市場への進出や、顧客ニーズに迅速に対応することも可能になります。さらに、リモートワークの支援やチーム間のコラボレーションの促進など、従業員の働き方の改善にも寄与します。
以下は中小企業庁が発表している「中小企業のデジタル化に向けて」の資料から抜粋しています。
この資料を見てみると、労働生産性の高い中小企業は、IT投資・設備投資等に積極的であり、一人当たりの賃金が高い傾向にあります。さらに、IT投資を継続した企業と一度も行っていない企業とでは、売上高経常利益率に大きな差が生じています。
一部の中小企業では、クラウドサービスやソフトウェアを理解したり使いこなしたりすることが難しく、その結果、これらのツールを十分に活用できていないことがあります。これは、ツールの使い方が複雑だったり、潜在的なデメリットが心配だったりするためです。
しかし、これらのデジタルツールを上手く活用することができれば、以前よりも少ない労力で仕事を効率的に進めることが可能です。
さらに、新型コロナウイルスの流行によって、多くの企業が在宅勤務を始めることになりました。クラウドサービスやソフトウェアが広く使われていれば、この移行はもっとスムーズに進んだかもしれません。デジタルツールの導入に遅れている中小企業を支え、デジタル化やビジネスの活性化を促進する取り組みは、今後さらに重要になってくるでしょう。
加速する人手不足、働く環境の変化…デジタルツールの有無による差は?
今後デジタルツールを有する企業と無い企業との間で、今後大きな差が生まれることが予想されます。デジタルツールを活用している企業は、業務の自動化、高度なデータ分析、顧客との直接的なオンラインコミュニケーションを通じて、より迅速かつ柔軟に市場の変化に対応できるようになります。これにより、市場での競争力を強化し、成長機会を掴むことができます。
一方、デジタルツールを導入していない企業は、業務効率の低下、市場分析の遅れ、顧客ニーズへの対応遅れなどにより、ビジネスチャンスを逃すリスクが高まります。特に、顧客体験の向上やパーソナライズされたサービス提供が求められる現代において、デジタル化が進んでいない企業は顧客満足度の低下に直面する可能性があります。
結論として、デジタルツールの有無は、企業の成長速度、市場でのポジショニング、そして将来的な成功に大きな影響を与えます。中小企業にとって、デジタル化への投資は、持続可能な成長を達成するための重要なステップと言えるでしょう。
令和5年度中小企業デジタルツール導入促進支援事業 制度内容
対象者
都内中小企業者等(会社・個人事業主・中小企業団体)
支援内容
都内中小企業者等のデジタルツール導入に係る経費の一部を助成
助成限度額
最大100万円 (申請できる助成金の下限額5万円)※詳細は募集要項をご覧ください。
助成率
助成対象経費の2分の1以内(小規模企業者は3分の2以内)
助成対象経費
新たに導入するデジタルツール購入にかかる経費(ツール本体)と、そのデジタルツール導入にかかる初期設定、カスタマイズ、運用・保守サポートに要する費用(関連経費)の一部
対象例:新たに導入するクラウド型会計ソフト、業務自動化ツール 等
対象外:ハード機器(PC、タブレット端末等)及び汎用性の高いソフトウェア(OS、セキュリティソフト、表計算・文書作成ソフト等) 等
助成となる事業イメージ
助成となる事業のイメージとして、下記のような例があげられます。
・複数の業務改善ソフトウェアまたはクラウドサービス(例:財務会計・人事労務・給与計算・税務管理等のソフトウェアまたはクラウドサービス)を組み合わせて新たに導入することで、バックオフィス業務の工数を削減する
・RPAツールを新たに導入し、バックオフィスにかかる単純作業を自動化することで 工数を削減する
・グループウェアやコミュニケーションツールを新たに導入することで、社内コミュニケーションの活性化やナレッジ共有を促進する
・マーケティングオートメーションツールを新たに導入し、営業・マーケティング活動の自動化を促進する
財務会計や人事労務、給与計算などのバックオフィス業務の効率化や、社内コミュニケーションのためのツールの活用、また営業やマーケティングの自動化ツールなど、社内の様々な部門でデジタル化を促進できそうです。
事業全体の流れとスケジュール
おおまかな全体の流れは以下のようになっています。
①申請前の事前予約を行います(申請エントリー)
②申請方法の案内を受けて申請書を作成します
③申請書を提出します(本申請)
④書類審査(6月下旬~8月中旬)
⑤審査完了順に交付決定が行われます(第1回:7月下旬、第2回:8月下旬)
⑥対象期間内に助成対象事業を実施します
⑦事業終了後、実績報告書を提出します
⑧完了検査後、約2か月で助成金額が確定します
⑨助成金額の確定通知に基づき、助成金を請求します
⑩助成金が振り込まれます
令和5年度 中小企業デジタルツール導入促進支援事業 | 事業 | 東京都中小企業振興公社 (tokyo-kosha.or.jp)
まとめ
ソフトウェアやクラウドサービスを導入すると、仕事をもっと速く進めることができるだけでなく、将来的にはもっと多くのお金を稼げるようになるかもしれません。デジタル化を通じて人件費やその他のコストを削減し、スタッフをもっと効果的に活用できるようになります。
デジタルツールを使っていないと、これを上手に使っている他の中小企業よりも競争で後れをとってしまう可能性があります。もし今までデジタルツールの導入を躊躇っていたのであれば、この支援制度を使ってみるのも良いかもしれません。
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補助金情報:令和5年度中小企業デジタルツール導入促進支援事業(都内中小企業向け) (subsidyassociation.com)