1.はじめに:2024年の創業支援補助金の概要
起業を考えている方、新規事業に挑戦したい方にとって、資金調達は大きな課題の一つです。そんな悩みを解決する強い味方が、各地方自治体や国が提供する創業支援補助金です。2024年7月現在、全国で数多くの補助金制度が用意されています。
今回は、北日本から西日本まで、全国各地の創業支援補助金を50件厳選してご紹介します。中には最大1,000万円という大型の補助金もあり、起業家の皆さんにとって心強い味方となることでしょう。
本記事では、地域別に補助金をまとめ、それぞれの特徴や申請期限などを詳しく解説していきます。自分の事業プランに合った補助金を見つけて、ぜひ積極的に活用してください。
2.北日本エリアの創業支援補助金
北日本エリアでは、5つの注目すべき補助金制度をピックアップしました。
北日本エリアの創業支援補助金一覧
青森県八戸市:中心商店街空き店舗解消事業補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和7年1月31日
- 特徴:中心商店街の活性化を目的とした補助金
岩手県盛岡市:ふるさと起業家支援プロジェクト補助金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年7月16日
- 特徴:地元での起業を支援する制度
宮城県仙台市:地域企業スケールアップ補助金
- 最大補助額:300万円
- 締切:令和6年7月31日
- 特徴:地域企業の成長を後押しする大型補助金
山形県:ものづくりスタートアップ支援事業費補助金
- 最大補助額:150万円
- 締切:令和6年8月2日
- 特徴:ものづくり分野の創業を重点的に支援
福島県:地域課題解決型起業支援補助金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年7月31日(第2回)
- 特徴:地域の課題解決に取り組む起業家を支援
北海道:ステップアップ補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年9月30日
- 特徴:道内の中小企業の新事業展開を支援
秋田県:あきた起業促進事業補助金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年8月31日
- 特徴:県内での起業・創業を促進する補助金
青森県:あおもり創業支援事業費補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年10月31日
- 特徴:県内での創業を幅広く支援する制度
岩手県:いわて起業家育成資金
- 最大補助額:1,000万円
- 締切:随時受付
- 特徴:起業家の資金調達を支援する融資制度
山形県:やまがたチャレンジ創業応援事業
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年12月31日
- 特徴:新規性の高い事業の創業を支援
北日本エリアの補助金は、地域の特性を活かした制度が多いのが特徴です。例えば、青森県八戸市の補助金は中心商店街の活性化を目的としており、空き店舗対策としても有効です。また、山形県のものづくりスタートアップ支援事業費補助金は、地域の産業基盤を強化する狙いがあります。
締切が迫っているものもあるので、興味のある方は早めに準備を始めることをおすすめします。特に、岩手県盛岡市の補助金は7月16日締切と、直近に迫っているので注意が必要です。
3.東日本エリアの創業支援補助金
東日本エリア、特に首都圏を中心に、多様な補助金制度が用意されています。ここでは、特に注目度の高い東京都の補助金と、その他の地域の補助金に分けて紹介します。
3-1 東京都の創業支援補助金一覧
港区:高齢者向け新ビジネス支援事業補助金
- 最大補助額:750万円
- 締切:令和6年8月30日
- 特徴:高齢者の生活の質向上や生活維持を目的とするビジネスを支援
東京都:商店街起業・承継支援事業
- 最大補助額:694万円
- 締切:令和6年10月11日(第3回)
- 特徴:商店街での創業や事業承継を支援
港区:創業スタートアップ支援事業補助金
- 最大補助額:250万円
- 特徴:賃借料、広報費、設備費、ホームページ制作費など幅広く支援
豊島区:中小企業支援事業補助金
- 最大補助額:40万円
- 締切:令和7年1月31日
- 特徴:開業支援、経営安定、コラボチャレンジの3コースを用意
西東京市:中小企業者経営支援補助金
- 補助額:20万円~30万円
- 締切:令和6年7月16日
- 特徴:IT活用や生産性向上など現代的なニーズに対応
大田区:おおた起業家創出支援事業
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年9月30日
- 特徴:区内での起業を総合的に支援
新宿区:新宿区中小企業展示会等出展支援補助金
- 最大補助額:30万円
- 締切:令和7年2月28日
- 特徴:展示会出展費用を補助し販路開拓を支援
江東区:江東区創業支援事業補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年11月30日
- 特徴:区内での創業を幅広く支援
東京都の補助金制度は、都市部ならではの課題解決や、先進的なビジネスモデルの支援に重点を置いているのが特徴です。例えば、港区の高齢者向け新ビジネス支援事業補助金は、高齢化社会における新たなビジネスチャンスを支援しています。
また、商店街の活性化や事業承継など、地域経済の維持発展を目的とした補助金も充実しています。東京都商店街起業・承継支援事業は、最大694万円という大型の補助金で、商店街での新規出店や事業承継を強力にバックアップします。
創業間もない企業向けには、港区の創業スタートアップ支援事業補助金が使い勝手が良いでしょう。賃借料や広報費など、スタートアップ期に必要な幅広い経費をカバーしています。
3ー2 その他東日本エリアの創業支援補助金一覧
長野県:ソーシャルビジネス創業支援金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年7月31日(2次募集)
- 特徴:社会課題解決型のビジネスを支援
長野県:UIJターン移住創業移住支援金
- 最低補助額:200万円
- 締切:令和7年3月14日
- 特徴:移住と創業を同時に支援する複合的な制度
山梨県:航空宇宙防衛関連産業認証取得支援補助金
- 最大補助額:100万円
- 特徴:特定産業分野への新規参入を支援
静岡県浜松市:会社設立支援補助制度
- 補助額:10万円(1/2補助)
- 締切:令和7年3月31日
- 特徴:会社設立時の初期費用を支援
新潟県:創業支援金
- 最大補助額:500万円
- 特徴:複数のプログラムで多様な創業ニーズに対応
愛知県名古屋市:イノベーション創出プログラム支援補助金
- 最大補助額:通常枠500万円、重点枠1000万円
- 特徴:VCの支援を受けられる重点枠は大型の補助金
石川県:社会課題解決型創業支援金
- 最大補助額:500万円
- 締切:令和6年10月31日
- 特徴:高い補助率(4/5)が魅力的
群馬県:ぐんま創業者支援補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年8月31日
- 特徴:県内での幅広い創業を支援
茨城県:いばらき創業支援補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年9月30日
- 特徴:県内での創業全般を支援
栃木県:とちぎ創業プランコンテスト
- 最大補助額:300万円
- 締切:令和6年10月31日
- 特徴:ビジネスプランコンテスト形式で支援
千葉県:ちば起業家応援事業
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年11月30日
- 特徴:県内での起業を幅広く支援
神奈川県:神奈川県創業支援補助金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年12月31日
- 特徴:県内での創業全般を支援
東日本エリアの補助金は、地域の特性や課題に応じた多様な制度が特徴です。例えば、長野県のUIJターン移住創業移住支援金は、地方創生の文脈で移住と創業を同時に支援する複合的な制度となっています。
また、山梨県の航空宇宙防衛関連産業認証取得支援補助金のように、特定の産業分野への参入を支援する特化型の補助金もあります。これは地域の産業構造の強化を狙ったものと言えるでしょう。
特筆すべきは、石川県の社会課題解決型創業支援金です。最大500万円という大型の補助金に加え、補助率が4/5と非常に高いのが特徴です。社会課題の解決に取り組む起業家にとっては、非常に魅力的な制度と言えるでしょう。
締切が迫っているものもあるので、興味のある方は早めに準備を始めることをおすすめします。特に、長野県のソーシャルビジネス創業支援金は7月31日締切と、直近に迫っているので注意が必要です。
以上が東日本エリアの主な創業支援補助金です。地域や事業内容に応じて、最適な補助金を選択することが重要です。次回は、西日本エリアの補助金制度について詳しく見ていきましょう。
4.西日本エリアの創業支援補助金
西日本エリアでも、多くの自治体が魅力的な創業支援補助金を用意しています。ここでは、特に注目度の高い大阪府の補助金と、その他の地域の補助金に分けて紹介します。
4-1 大阪府の創業支援補助金一覧
高槻市:高槻魅力あるお店応援プロジェクト
- 最大補助額:50万円
- 締切:令和6年8月28日
- 特徴:魅力的な店舗ビジネスの創出を支援
茨木市:創業促進補助金
- 最大補助額:105万円
- 特徴:創業時の多様な経費をカバーする総合的な補助金
柏原市:新規出店促進事業者補助金
- 最大補助額:10万円
- 締切:令和7年3月31日
- 特徴:店舗改装費を中心とした補助金
泉大津市:創業時設備導入等支援事業補助金
- 最大補助額:20万円
- 特徴:機械、装置、重機などの設備投資を支援
四条畷市:四条畷事業者支援補助金
- 最大補助額:200万円
- 補助率:3/4
- 特徴:高い補助率で多様な支援メニューを用意
東大阪市:空き店舗活用促進事業補助金
- 最大補助額:80万円
- 特徴:空き店舗の活用を促進し、地域活性化を図る
堺市:中百舌鳥地域スタートアップ・ベンチャー支援補助金
- 最大補助額:1000万円
- 補助率:30%
- 特徴:オフィス整備を支援する大型補助金
大阪市:大阪市創業促進助成金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年12月31日
- 特徴:市内での創業全般を支援
大阪府の補助金制度は、都市部ならではの課題解決や、多様なビジネスモデルの支援に重点を置いているのが特徴です。
特に注目すべきは、四条畷市の四条畷事業者支援補助金です。新規創業改装支援では最大200万円という大型の補助金に加え、補助率が3/4と非常に高くなっています。また、事業計画作成支援や法人設立費用など、創業初期に必要な経費を幅広くカバーしており、使い勝手の良い制度となっています。
茨木市の創業促進補助金も、設備工事費やテナント賃借料、法人設立経費など、創業時に必要な多様な経費をカバーする総合的な補助金となっています。複数の補助を組み合わせることで、最大105万円の支援を受けられる可能性があります。
また、堺市の中百舌鳥地域スタートアップ・ベンチャー支援補助金は、最大1,000万円という大型の補助金で、オフィス整備を支援しています。テクノロジー系のスタートアップなど、初期投資が大きい事業にとっては魅力的な制度と言えるでしょう。
4-2 その他西日本エリアの創業支援補助金一覧
奈良県:起業支援金
- 最大補助額:300万円
- 締切:令和6年7月31日
- 特徴:段階的な支援で、創業初期をサポート
兵庫県:移住支援事業
- 最大補助額:200万円
- 特徴:東京圏からの移住者を対象とした支援制度
兵庫県:店舗・若者女性新規出店チャレンジ応援事業補助金
- 最大補助額:75万円
- 特徴:若者や女性の新規出店を支援
岡山県:創業サポート補助金
- 最大補助額:10万円
- 締切:令和6年9月30日
- 特徴:創業時の小規模な経費を支援
広島県:起業・スタートアップ支援補助金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年7月24日
- 特徴:社会的課題解決型の事業を支援
福岡県:ソーシャル起業支援金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年7月31日
- 特徴:地域課題の解決を目的とする事業を支援
大分県:創業・開業促進事業補助金
- 最大補助額:40万円
- 締切:令和6年8月16日
- 特徴:県のベンチャーサポート施設入居者向けの補助金
山口県:やまぐち創業応援補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年10月31日
- 特徴:県内での幅広い創業を支援
愛媛県:えひめ地域課題解決型起業支援補助金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和6年9月30日
- 特徴:地域課題の解決に取り組む起業を支援
香川県:かがわ創業支援補助金
- 最大補助額:50万円
- 締切:令和6年11月30日
- 特徴:県内での創業全般を支援
熊本県:くまもと創業支援補助金
- 最大補助額:100万円
- 締切:令和6年12月31日
- 特徴:県内での幅広い創業を支援
鹿児島県:かごしま創業支援補助金
- 最大補助額:200万円
- 締切:令和7年1月31日
- 特徴:県内での創業全般を支援
西日本エリアの補助金は、地域の特性や課題に応じた多様な制度が特徴です。
例えば、兵庫県の移住支援事業は、東京圏からの移住者を対象に、移住支援金とマッチング支援事業を組み合わせた制度となっています。これは地方創生の文脈で、都市部から地方への人材流入を促進する狙いがあります。
また、広島県や福岡県の補助金は、社会的課題の解決や地域課題の解決を目的とする事業を重点的に支援しています。これらの制度は、単なる経済的な支援だけでなく、地域社会の発展に貢献する事業を育成しようという意図が見られます。
兵庫県の店舗・若者女性新規出店チャレンジ応援事業補助金は、県と市町村の補助金を組み合わせて活用できる点が特徴です。例えば、宝塚市では最大135万円の補助が受けられる可能性があります。このように、複数の補助金を組み合わせることで、より大きな支援を受けられる可能性があるので、地域の制度をよく調べることが重要です。
5.補助金活用のポイントと申請のコツ
これまで見てきたように、全国各地で多様な創業支援補助金が用意されています。これらの補助金を効果的に活用するためのポイントと、申請時のコツをいくつか紹介します。
- 事業計画をしっかり立てる 補助金の申請では、具体的で実現可能な事業計画が求められます。自社の強みや市場のニーズ、収支計画などを明確にしましょう。
- 複数の補助金の組み合わせを検討する 地域によっては、県と市町村の補助金を組み合わせて活用できる場合があります。最大限の支援を受けられるよう、複数の制度を調べましょう。
- 締切に注意する 補助金には申請期限があります。準備に時間がかかることも多いので、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
- 地域の課題解決を意識する 多くの補助金が地域課題の解決を重視しています。自社の事業が地域にどのような貢献ができるかを明確にすることで、採択される可能性が高まります。
- 専門家のアドバイスを受ける 中小企業診断士や行政書士など、補助金申請に詳しい専門家のアドバイスを受けることで、より質の高い申請書を作成できます。
- 補助対象経費をよく確認する 補助金によって対象となる経費が異なります。自社の支出計画と照らし合わせて、最適な補助金を選びましょう。
- フォローアップにも注目する 補助金の中には、資金面の支援だけでなく、経営指導やネットワーキングの機会を提供するものもあります。総合的な支援を受けられる制度を選ぶと、事業の成功確率が高まります。
- まとめ:自分に合った補助金を見つけよう
2024年の創業支援補助金は、全国各地で多様な制度が用意されています。地域の特性や課題に応じた制度、特定の産業分野を支援する制度、社会課題の解決を目指す事業を支援する制度など、その内容は多岐にわたります。
自分の事業計画や地域の特性に合った補助金を見つけ、効果的に活用することで、創業初期の大きな支えとなるでしょう。ただし、補助金はあくまでも支援の一つの形であり、事業の成功を保証するものではありません。しっかりとした事業計画と、その実行力が何より重要です。
補助金を活用しつつ、自社の強みを最大限に生かし、顧客のニーズに応える価値を提供し続けることで、持続可能な事業成長を実現しましょう。
最後に、補助金制度は年度ごとに変更される可能性があります。常に最新の情報をチェックし、自分の事業に最適な支援を見つけ続けることが大切です。頑張って起業を成功させましょう!