【2025年開始】中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?

中小企業省力化投資補助金


目次

1. 中小企業省力化投資補助金(一般型)とは

中小企業省力化投資補助金(一般型)とは
中小企業省力化投資補助金(一般型)とは

「中小企業省力化投資補助金(一般型)」は、2025年1月より独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」)が公募を開始する新しい補助金制度です。
既に開始されている、中小企業省力化投資補助金(カタログ型)に新しい枠として追加されました。


人手不足に悩む中小企業・小規模事業者
が、IoTやロボット技術などのデジタル技術を活用して省力化を進めるための設備投資を行う場合、その費用の一部を国が支援する仕組みです。

  • 目的
    • 生産・業務プロセスの自動化・効率化を促進し、付加価値額や生産性を向上させる。
    • 成果として得られた利益を賃上げにつなげる。

本補助金には、あらかじめ国が認定した製品(カタログ)を導入する「カタログ型」と、独自に設備構成をカスタマイズして導入する「一般型」があります。今回は後者の「一般型」について詳しく見ていきましょう。


2. 一般型とカタログ型の違い

カタログ型

  • 特徴
    • 国があらかじめ「省力化効果が高い」として認定した製品カタログから導入設備を選ぶ。
    • 申請書類や審査が比較的簡易・迅速。
  • 注意点
    • カタログに登録された製品以外は導入不可。
    • 自社独自の設備設計を必要とするような場合には対応が難しい。

一般型

  • 特徴
    • 設備の組み合わせやカスタマイズが柔軟であり、自社の導入環境に合わせてオーダーメイドが可能
    • 補助上限額が最大1億円まで拡大。
    • 投資回収期間や省力化指数などをしっかりと試算・計画する必要があるため、申請の難易度はカタログ型より高め
  • こんな企業におすすめ
    • 既存設備や業務フローが複雑で、カタログ製品だけでは対応が難しい場合。
    • 大規模な設備導入を予定している場合。
省力化補助金一般型とカタログ型の違い

3. 公募要領のポイント

以下は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が公表している公募要領から、特に重要な注意事項をピックアップし、分かりやすくまとめたものです。申請前には必ず公式資料を熟読し、最新情報をご確認ください。

3-1. 申請前に必ず確認すべき注意事項

  1. 申請書類の不備
    • 書類に不備がある場合は不採択となります。申請要件のチェックや必要書類の添付漏れなどに要注意。
  2. 採択結果の理由開示や異議申し立て不可
    • 採択されなかった場合の詳細理由の開示や、異議の申し立ては原則認められていません。
  3. 採択後に交付決定が確定するわけではない
    • 採択=交付決定額の確定ではありません。交付申請により再度チェックが行われ、減額・全額不支給になる可能性もあります。
  4. 電子申請のみ
    • 申請方法は電子申請システム(jGrants)のみ。紙書類では受付不可。
  5. 事業計画は申請者自身で作成
    • 外部コンサル等の支援を受ける場合でも、最終的には自社の責任で計画を組み立てる必要があります。
    • 不要に高額な成功報酬を請求するような悪質業者には要注意。

3-2. 電子申請に必要なGビズIDプライムアカウント

  • GビズIDプライムアカウントがないと、本補助金の電子申請はできません。
  • 取得には2~3週間程度かかるため、申請を検討される方は早めに手続きを済ませましょう。

公式関連リンク

3-3. 事業計画書作成と外部支援利用時の注意

  • 事業計画書作成支援者名・支援費用の記載義務
    • 外部コンサル等に依頼した場合、その支援者名成功報酬額・契約内容を記載しなければなりません。
    • 記載がないのに実は支援を受けていたことが判明した場合、不採択・補助金返還・社名公表などの処分対象となります。
  • 注意すべき不適切な行為例
    1. 実費とかけ離れた高額な成功報酬
    2. 補助金申請「代行」を主たるサービスとした営業行為
    3. 申請書に虚偽の内容や架空の見積を記載するよう誘導

4. 補助対象事業・対象者

4-1. 補助の対象となる事業

  • 生産・業務プロセスの省力化・自動化
    • 人手不足解消に有効な設備を導入する事業
  • IoT・ロボット・AI等を活用した新たな取り組み
    • 例:製造ライン自動化、サービス業の受付・決済の無人化システム導入 など

基本要件

  1. 労働生産性を年平均4.0%以上向上する計画
  2. 1人あたり給与支給総額 or 給与支給総額の年平均2.0%以上増加
    • または、最低賃金の直近5年分の年平均上昇率以上の1人あたり給与アップ
  3. 事業場内最低賃金を都道府県最低賃金+30円以上
  4. 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画(従業員21名以上の場合)

4-2. 補助対象者と対象外事業者の判断基準

  • 対象者
    • 中小企業・小規模事業者、特定非営利活動法人(NPO法人)、社会福祉法人など
    • いわゆるみなし大企業に該当する場合は対象外。
  • 対象外となる例
    1. 交付決定前に同一法人が重複申請している場合
    2. 過去に補助金の不正受給や交付取消の処分を受けた事業者
    3. 暴力団や反社会的勢力との関係がある企業
    4. 公序良俗に反する事業法令違反リスクのある事業

5. 補助金の概要(上限額・補助率・事業要件)

5-1. 補助上限額と特例措置

  • 基本的な上限額(大企業に該当しない場合)
    • 5人以下:最大750万円
    • 6~20人:最大1,500万円
    • 21~50人:最大3,000万円
    • 51~100人:最大5,000万円
    • 101人以上:最大8,000万円
  • 大幅な賃上げを行う場合
    • 上記金額に追加で250万~2,000万円上乗せ可能(達成できなかった場合は差額の返還義務あり)。
  • 最低賃金引上げ特例
    • 補助率が2/3に引き上げ(小規模事業者はもともと2/3のため変動なし)。
    • ただし、3か月以上「最低賃金+50円以内」で雇用している従業員が全体の30%以上であること等が条件。

5-2. 補助対象経費と対象外経費

  • 対象経費
    1. 機械装置・システム構築費(必須)
    2. 技術導入費(特許使用料など)
    3. 専門家経費(コンサルティング費用等)
    4. 運搬費
    5. クラウドサービス利用費
    6. 外注費(脆弱性診断なども含む)
    7. 知的財産権等関連経費(弁理士代行費用など)
  • 対象外経費の例
    • 建物・建築工事費、土地取得費
    • 一般事務用品やPC・プリンタ等の汎用備品
    • 自社社員の人件費、旅費、光熱費、通信費
    • 中古品の購入費
    • クレジットカード払い以外での銀行振込が可能にもかかわらず、あえてクレジットカードで支払うもの(事前相談が必須)
    • 消費税や地方消費税

5-3. 必須となる「機械装置等への投資」

  • 本事業では必ず1点以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を導入する必要があります。
  • 「カタログ型」の製品カタログに掲載されていない商品も、複数の汎用設備を組み合わせるなどで省力化効果が認められれば対象になる可能性があります。

6. 申請から採択後までの流れ

6-1. スケジュール概略

  1. 公募開始 → 申請受付開始
    • ホームページ等で公募要領や申請期間がアナウンス。
  2. 電子申請(jGrants)
    • GビズIDプライムアカウントを用いて必要情報を入力・書類をアップロード。
  3. 書面審査 → 口頭審査(オンライン)
    • 補助金額が一定規模を超える場合、オンライン面談が設定される場合あり。
  4. 採択決定 → 交付決定手続き
    • 採択されたからといって100%交付金額が確定するわけではなく、追加書類や精査を経て最終的な交付決定額が通知。
  5. 事業実施 → 実績報告書提出
    • 設備導入、検収、支払いなどを交付決定日から18か月以内に完了。
  6. 確定検査・補助金支払い
    • 実績報告書や検査を経て問題がなければ補助金が支払われる。
  7. 効果報告(5年間)
    • 補助金受給後、毎年労働生産性や賃上げ状況等を報告。

6-2. 書面審査と口頭審査

  • 書面審査
    • 事業計画書の「省力化指数」や「投資回収期間」「付加価値増加」「オーダーメイド性」などが評価ポイント。
  • 口頭審査(オンライン)
    • 審査員へのプレゼンの場。主に大規模投資の申請者が対象となる可能性が高い。
    • 内容に不備があると不採択となるリスクがあるため、準備を入念に。

7. 不採択・返還リスクを防ぐためのポイント

7-1. 基本要件(労働生産性・賃上げ・最低賃金)未達時の返還

  • 給与支給総額(または1人あたり給与支給総額)の年平均2.0%増加などの目標が未達の場合、未達率に応じて補助金返還を求められる可能性があります。
  • **最低賃金+30円(大幅賃上げなら+50円)**を守れなかった場合も、一部返還義務が生じるケースがあるため、達成可能な計画の策定が重要です。

7-2. カタログ型との併用・重複申請の注意

  • 「一般型」で申請する前に、カタログ型の製品を必ずチェックしましょう。
  • カタログ掲載品で十分対応可能な場合は、そちらの方が審査や申請が簡易です。
  • 一般型は自由度が高い反面、審査項目が多く不採択リスクも高まる点に留意してください。

8. 当社の無料相談について(AMSではありません)

当社はAMSとは異なる独立のコンサルティング会社です。
しかし、補助金申請のサポート体制としては、以下のように充実したサービスを提供しております。

  1. 無料初回相談
    • 「自社が本当にこの補助金を利用できるか?」といった基本的な質問から、採択事例、見積書取得のアドバイスまで行います。
  2. 個別の申請サポート
    • 必要に応じて、事業計画書のブラッシュアップや補助対象経費の精査をお手伝い。
  3. 他の補助金との比較検討
    • 場合によっては、「省力化投資補助事業(カタログ型)」や他の補助金が適しているケースもあります。
    • 当社では客観的に比較しながら最適な選択をサポートします。

ご相談方法

  • 当ページ下部の「お問い合わせフォーム」
  • 公式LINE・チャット
  • お電話(営業時間内)

いずれの方法も初回は無料で対応しております。お気軽にご連絡ください。
なお、本記事の情報はあくまで概要解説です。最新情報や詳細は必ず公募要領をチェックしてください。


9. 公式問い合わせ先(補助金事務局)

補助金の制度内容や申請方法、不明点などを直接確認したい場合は、以下の事務局コールセンターに問い合わせができます。

  • 中小企業省力化投資補助金事務局コールセンター
    • ナビダイヤル:0570-099-660
    • IP電話等:03-4335-7595
    • 対応時間:月~金 9:30~17:30(土・日・祝日除く)

GビズIDプライムアカウントの取得手続きや電子申請システム(jGrants)の操作方法に関しても、上記に相談できます。


10. まとめ

「中小企業省力化投資補助金(一般型)」は、人手不足や生産性向上、賃上げなどを一挙に解決する可能性を持つ補助制度です。
一方で、高い自由度を生かせる反面、申請には細かな要件・書類の準備が求められ、不備があると不採択返還リスクに繋がる点が注意すべきポイントです。

  • カタログ型との比較・検討が大切
  • GビズIDプライムを早期取得しておく
  • 返還リスクを踏まえ、達成可能な目標設定を行う
  • 必要に応じて専門家のアドバイスを活用する

当社(※AMSではありません)では、無料相談にて申請可否の簡易診断から事業計画書のチェックまで丁寧にサポートしています。
補助金を有効活用して自社の省力化・DX化を一気に推進したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。


【本記事の情報について】

  • 本記事は「中小企業省力化投資補助事業(一般型)」の公募要領(2025年1月版)をもとに再編集したリメイク記事です。
  • 最新の公募要領や制度変更、追加公募の有無などは必ず公式ホームページや事務局の公表情報をご確認ください。
  • 文字数・内容は目安であり、実際の要件や手続きは公募要領を優先します。

みなさまの事業が省力化投資によってさらに発展することを、心より応援しております。

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